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硫黄の検出にて、メチオニンが反応するかについて、
「東京大学2018年化学ではメチオニンを検出している」とのご指摘がありましたので解説を修正します。脳内データベースから抜けていて、さまざまな文献や教科書を見比べながら改訂していくうちにこうなっていました。ごめんなさい。
現状の解説(修正前)
「側鎖にSをもつα-アミノ酸(システイン)に反応します。メチオニンには反応しません」
修正後の解説(下書き)
★ゴロ:しめしめ or 酢飯(すめし、S、メチオニン、システイン)
[発展]側鎖にSをもつシステイン(-SH)は容易に反応します。メチオニンの-S-は側鎖ではないためそのままでは反応しません。メチオニンを水酸化ナトリウムと高温で分解したり、固体のナトリウムと融解することで反応します。
-SHメルカプト基(チオール基)
-S-チオ基」
リンク先のPDFでも高校教科書の揺れを指摘していますので参考にしてください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/65/11/65_584/_pdf
硫黄の検出には何通りかあり、
温度の高低(550度以上)
水酸化ナトリウムにするかナトリウム固体にするか、で結果が変わるようです。
-- 引用 --
「水溶液法では,水酸化ナトリウム水溶液中でアミノ酸(残基)を分解し,生成する硫化物イオンを検出する。一 方,文献によると,270~300 °Cにおいて含硫アミノ酸の 熱分解を行った場合,システインやシスチンからは硫化水素が生成するが,メチオニンからはメタンチオールが生成し,硫化水素は生成しない4)。しかし 550 °Cで熱分解を行 うとメチオニンからも硫化水素が生成する5)。」
「なお 硫化物イオンの生成によってメチオニン残基までをカバー する検出法として,試料をナトリウム単体と加熱・反応させた後,硫化鉛(II)を生成させる方法が報告されている6)。」
「現行の高等学校「化学」の教科書に記載されている実験条件では,硫黄が検出されるアミノ酸(残基)はシステインであり,メチオニンにおける硫黄の検出はできない。高等学校「化学」の教科書には具体的な生徒実験の方法が記載されているので,特に実験を行った高校生に誤解を与えないように留意した記述を望む。」
-- ここまで --
東大の表現では、固体のナトリウムを使っているものを指していると考えられます。
-- 東大2018年 --
A,B,C,Dそれぞれを十分な量のナトリウムとともに加熱融解し、エタノールを加えて、残存したナトリウムを反応させた後に、水で希釈した。という前置きで、これらの溶液に酢酸鉛(II)水溶液を加えると黒色沈殿が生じたのはAとCの場合のみであった。
-- ここまで --
貴重なご指摘ありがとうございます。